肉への探究心
2022年06月24日(金)
おはようございます。はたまた、こんばんは?それとも、こんにちは。
唐突ですがみなさん、パネ ポルチーニの「サンドウィッチ」食べたことありますか?もしご賞味されたら「ん?このサンドウィッチのお肉、美味しい!!」こんな感想を持つ方がいらっしゃると思います。
そうです、そーなんです!パネ ポルチーニのサンドウィッチ具材のお肉、とってもこだわって作られているんです。
みなさんはシャルキュトリーという単語はご存じでしょうか?この単語はフランス語でChair(肉)とCuite(火を入れる)の単語が合わさったのが語源と言われています。意味としては食肉加工品全般のことを言います。日本ではデリカテッセンと言った方がイメージしやすい方が多いかも知れません。(厳密、分類すると違ってはきますが…)
ポルチーニグループはこのシャルキュトリー専門の食肉加工職人が在籍しています。この職人さんたちが日夜、ハムやソーセージなどの食肉加工品を作り上げています。
以前にサルシッチャの記事も書いてますのでこちらも是非ご覧ください。
では、現在サンドウィッチで使用しているシャルキュトリーたちを紹介していきましょう。
こちらはハムオニオンで使用されているコッホサラミの作業工程です。毎週、豚肩ロース肉と三枚肉を15kgずつを丁寧にミートペーパーに包み、余分な水分を取って行きます。1つの塊が3~4kgほどの肉の山。
水分を拭き終えたら、ハムにするには固いスジや余分な脂をトリンミングしていきます。小さくまとめられた肉が1塊で取れる量なので最終的にはかなりのものになります。もちろんトリミングされた肉もハムには適さないだけなので別の料理で使用しています。無駄をなくし資源や環境のこともポルチーニは考えています。
トリミングが終えるとスパイスとマリネするのですが、味がより馴染むように角切りにします。
マリネして一晩たった状態です。お肉屋さんではお馴染みの機械でミンチ状にしていきます。その後、計量をし正確な数字から仕上げのスパイス配合量を決めます。ミンチを練ってる最中に先ほど用意したスパイスを入れて粘り気が出てくるまで練り上げます。
練った肉を少し落ち着かせてる間にケーシングの準備です。ケーシングとは肉を詰める際に使用する筒状のモノです。ソーセージはケーシング自体が食べれる天然かコラーゲンでできた可食性の袋に詰め込みますが、ハム・サラミは非可食性のセルロースやパルプなどの素材に詰めて成形していきます。その際はただの筒状になっている紙なので、専用のホッチキスで片方の口だけ閉じます。加工しやすいように水に軽くつけているのですが、数が増えるとクラゲっぽく見えるのは気のせいでしょうか?(笑)
このケーシング材は小さな小さな穴があいており筒内に肉を詰めても中に水がたまらない構造になっているので味が変化したり、水分で薄まったりすることがないのでとても重宝しています。
さぁ、ここから職人さんの腕の見せ所です!!ソーセージを詰め込む天然のモノの袋とは違い、やぶれにくい素材ですが空気を入れずにリズム良くパンパンに詰め込むにはそれなりの技術を要します。慣れた職人さんも1番気の使う工程ですが、作業が始まるとあっという間に1本分が詰め終わります。少し余白を残しホッチキスで口を止めて肉詰め作業が終わります。
そろそろハムの製造工程も最終段階。コッホサラミは加熱した意味があると説明した通り、湯煎をして火を通していきます。沸騰しない温度でじっくり熱を入れてます。その後ゆっくりと一晩かけ燻製をかけてやっと完成です。
もちろんパン製造にバトン渡す際には指定の厚さにスライスして納品します。
さてさて、ここまでサンドウィッチで使われているお肉を徹底解剖してきましたが、お肉の美味しさ、伝わりましたか?凄くお肉の口になっているのではないでしょうか?実はこれらのシャルキュトリーは店舗でも食べることができるんです!!そのお店の名が「サルメリア ポルチーニ」!!パネ ポルチーニの姉妹店にあたるこちらの店舗では、肉をコンセプトにシャルキュトリーはもちろん、ジビエなども豊富に扱っています。食肉加工職人さんが作るソーセージやハムの数々はビールやワインなどお酒にも相性抜群!ぜひこちらの店舗にも足を運んでいただき、お店でしか味わえないライブ感を堪能していただけると嬉しいです。スタッフ一同、心よりお待ちしております。
予約は24時間対応のネット予約が便利!!
porciniは、
生産者さんとつながり、
見て体験し、
感謝し美味しく料理することを大切にしていきます。
Eat Local
裏フォカッチャの秘密
2022年01月11日(火)
福島区の「パネ ポルチーニ本店」と同じ裏路地にある
姉妹店「イタリア食堂タヴェルナ ポルチーニ」。
そのレストランに予約限定で食べられる専用の
“裏”フォカッチャが誕生しました。
販売開始から間もないのに、
すでに大好評をいただいております。
パン好きなアナタ!
この機会にぜひレストランで体験しください!
皆さんもご存知の通り、飲食業界は(だけではありませんが…)
未曾有の危機に晒される日々を過ごしていました。
もちろんポルチーニもその煽りを受けて休業せざるをえない状況。
しかし、このコロナ禍であっても、お客様に喜んでもらえることはないか?や、
ポルチーニとして存続するには何をすればいいのか?
など、社内で様々な角度から分析をして1つ出てきたのが休業明けの話。
いざレストランがオープンした時に、パワーアップした何かをお客様に
お届けして、感動させたい気持ちが強く出てきました。
そして、それらをもとに辿り着いたのが
「パネのパンが食べられるレストラン」というキーワード。
そのキーワードから導き出したのが「裏フォカッチャ」なのです。
パネポルチーニから通常のフォカッチャは、毎日届けられています。
裏フォカッチャもそのフォカッチャと同じパン生地を、
パネから提供してもらう手筈にしていました。
しかしここで思わぬ誤算が発生したのです。
実は、このパン生地は冷凍の状態で届けられるように算段していました。
が、焼きたてのフォカッチャにこだわって提供する際、どのタイミングで
解凍し作業や発酵時間の計算が上手くいかず、
更にパネとレストランのオーブンの仕様が違う事で
焼き具合も思った感じに仕上がらず、仕組みづくりにとても苦心しました。
とはいえ休業状態。試行錯誤する時間はたっぷりあり、次々と問題を解決でき、
自信の持てる「裏フォカッチャ」が出来上がったのです。
しかし、実際はお客様ありきの話。
本当にレストランが稼働してる最中に、こちらの思ったタイミングで提供できるか?
一抹の不安がありました。
その不安は杞憂に終わるのです。
シェフのひとりが学生時代にパン屋で働いていた経験者だったのです。
さらにシェフがパネスタッフとのミーティングや
実際にパネで成形の修行を重ねました。
未経験では難しい発酵のタイミングも成形もシェフの経験や努力があり
実現できたのです。
こうして新たな武器「裏フォカッチャ」が生まれたのです。
パネ ポルチーニから届けられる生地を、お客様が来られる時間から逆算しながら
解凍し、成形→発酵させます。その際、専用の型に入れて発酵させることで
次の工程をズムーズに進行させることができます。
フォカッチャの焼き目にムラがないよう一定の時間で生地を動かします。
レストラン仕様だからこそできる高級オリーブオイルをこれでもかとかけ、
絶妙に計算されたバランスで塩をふります。
熱々の裏フォカッチャは焼きたてですので、当たり前のことですが熱いんです!
提供の際はスタッフが目の前でちぎらせていただきます。
しかし、この熱々が肝心なのです!!!
パネで販売中の塩フォカッチャもタイミングが合えば焼きたてを買えます。
が、実は一定の温度に下がるまでパンを落ち着かせています。
厳密にオーブンからダイレクトに店頭には並びません。
しかしこの「裏フォカッチャ」はレストランの予約限定ですが
ホントの意味での焼きたてが食べれます!
提供時間にこだわった、賞味時間5分の裏フォカッチャは、
外はパリっ!中はふわふわもっちり。
もちろん冷めても美味しさは変わりませんが、
オーブンから1分以内で提供される
賞味時間5分の感動を味わってください!
porciniは、
生産者さんとつながり、
見て体験し、
感謝し美味しく料理することを大切にしていきます。
Eat Local
裏フォカッチャはご予約限定のメニューになっております。前日の23時までのご予約で対応が可能となっております。当日にオーダーされても対応できませんのであらかじめご了承ください。あと、とても熱いメニューとなっております。火傷などに充分注意してお召し上がりください。
予約はこちら
とびあがるほど美味しいサルシッチャの秘密
2018年12月13日(木)
サルメリアポルチーニ、オープンと共にうなぎ登りで人気を博している、
自慢のサルシッチャ。
今では月に600本以上がオーダーされ、
その数字はとどまることなく増えています。
今回はその、とびあがるほどの秘密を少し紐解いていこうと思います。
とびあがるほど美味しいサルシッチャ 690円
此処は日本の北の方の大地、〇〇県△△町。
サルシッチャの最大にして極秘扱いの豚さん達の住む楽園があります。
取材を行った日は天候も悪くどうなるかと思ってた矢先、
日頃の行いの良さが発揮され牧場に着くと一筋の光と共に束の間の晴れ間が!
この気を逃さず此処の豚さんの秘密を!
この養豚場に来て1番驚いたことは「におい」です。
臭わないと言われる養豚場でもそれなりに臭いはするものなのですが、
此処は本当に臭くないんです。
一切と言っても大げさではないくらい!
その秘密が全豚舎に置かれているドラム缶のようなもの。
これは衛生管理の最重要ポイントだそうで、
この中に籾殻や竹を燃やし消臭・殺菌を行い、
さらに温度管理も同時に行っているそうです。
そう言えば養豚場の視察や見学先ではとても厳しく
病気や菌が入らないように消毒や防菌などの対策をしないと入れないのですが、
ココでは竹炭を水に混ぜた消毒液に靴をつけるのみでした。
自然に近い形で育てる豚は強く健康に育つそうで、
元気な豚さんばかりが豚舎にはいました。
豚舎の方に向かうとそこには可愛らしい子豚がいます。
ココでは生後2ヶ月の子豚を買って来て飼育しています。
それこそ各地のブランド豚の子豚がいるので毛色や顔つきなんかも違っています。
生まれてから2ヶ月の間はその場所で飼育されているので、
エサの好みもそれぞれ違い、最初は好き嫌いが激しく食べ残しも多く
最初のうちは痩せていくそうです。
でも徐々にお腹が空いた豚は餌を選ばずに完食していくようになるそうです。
で、ココで重要になってくるのが餌です。
籾殻や竹で作った炭に、蒸したじゃがいも・人参・長芋などを蒸し、
りんごやパンを混ぜ合わせたものに
目の前に広がる日本海の海水を混ぜて自然発酵させたミネラル豊富な餌ができます。コストと毎日の手間を考えれば、それだけでも愛情が深まっていきます。
牧場を出ると餌でも重要な役割を担う雄大な日本海が広がります。
通常豚の出荷は6ヶ月ほどでされます。
しかしこちらの豚は10~11ヶ月かけてからの出荷をしています。
その成長ぶりは一般の豚の大きさのほぼ倍!!
(通常出荷の豚80kgなのにこちらの豚は150kg以上!)
大きくなったから大味になるのでなく牛のようなサシの入り方や脂の融点が低く、
旨味たっぷりのオレイン酸の数値も遥かに超えています。
ポルチーニ・サルシッチャのお肉は、
こんな愛情と手間をかけた豚さんを使用しています。
ここはポルチーニの秘密の部屋。
この場所は加工肉の主戦場である。
サルシッチャのメイン材料となる豚肉は週の半ばに納品されます。
その量、なんと半頭分!!
その中からサルシッチャに使う豚肉を仕分けてます。
その量は約25kg、250本ほどのサルシッチャが出来る計算です。
仕分けた豚肉は下味をつけて寝かします。
数日後、下拵えが終わった肉をミンチ機にかけて大きめのあらびき肉に
次に撹拌を
この作業は一瞬で終わるので見極めが肝心
次が最後の撹拌作業
ここでポルチーニ秘伝の調味料と共に粘り気が出るまで混ぜます。
ここまでの作業で特に気をつけるのは豚の脂が溶けないように
使う機械を冷やし温度管理を徹底することが肝心です。
そしてここから職人芸の見せ所、腸詰作業
サルシッチャ用の腸にミンチ肉を詰め、1本分のサルシッチャに成形していきます。
破れないように肉を詰めるのは至難の技
サルシッチャのネックレスは圧巻の一言
ここまでが加工肉職人の仕事。
そして調理場へ。
サルシッチャを美味しくするには、シェフの情熱も必要!
火加減を絶妙に調整しながら、そしてたまには遠火にしたり
サルシッチャが破けないようにじっくり、じっくり
丁寧に火入れしていきます。
ここを怠るだけでとびあがれません!!
シェフの腕が試される一瞬なのです。
生産者さん、加工肉職人さんの想いを引き継いで
今日も1本、1本を焼き上げるのです。
porciniは、
生産者さんとつながり、
見て体験し、
感謝し美味しく料理することを大切にしていきます。
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「都市養蜂」大阪産 はちみつを求めて
2017年10月03日(火)
大阪で都市養蜂を行い、大阪産はちみつを採蜜している生産者さんを訪ねました。
都市養蜂とは…
近年、世界の都市などで注目されていて、都心のビルの屋上などを活用しミツバチを育て、はちみつを採蜜する養蜂スタイルです。
パリ・ニューヨーク・香港・日本は銀座などの大都市で都市養蜂が行われています。
都心でミツバチを飼うことは、生態系の循環が構築され都会でも生き物のつながりを持続できる大事な役割を担っています。
都市部でも自然豊かな農村部に負けない良質なはちみつが採れます。
都会は意外と花や木々が多くあり、公園や街路樹など一年中花が咲いています。
なのでミツバチが蜜を集めるのに適した環境なんです。
また農村部に比べ都会の方が、ミツバチの天敵になるような害虫や農薬散布などの心配も少ないので、ミツバチが暮らしやすく良質のはちみつを採って来てくれます。
さて、皆さんはミツバチが街中を飛び回ると聞くと、危ないように感じるかもしれません。しかし懸念されるような心配事はほとんどありません。
なぜならミツバチ自体、とても大人しい蜂なんです。
ミツバチはスズメバチや他の蜂と違い、一度攻撃で針を刺してしまうと死んでしまうのです。なのでこちらから驚かせない限り、人を襲うことは滅多にありません。
滅多に人を刺すことはない大人しい蜂です。
またミツバチは約50日の短い寿命です。その一生をかけて採蜜する量がティースプーン1杯分。良い香りの花や木々を見つけては巣と蜜源を何度も何度も往復し、蜜を集めてくるのです。
大阪ハニーのハチミツは熱処理せず無添加・無加工で、どんなに非効率で手間がかかっても徹底して“生”であることにこだわった、完全フレッシュ製法で作られてます。
とろりとまろやかな質感に、ふわっと広がって鼻に抜ける芳醇な香り、まったりと甘やかでありながら、後口は爽やかでみなぎるような満足感を与えてくれます。
また、ビタミンやミネラルなど豊富な栄養価や酵素・乳酸菌など健康や美容にも良いと言われる有効成分が損なわれず、味・健康・美容にと三拍子そろったハチミツなんです。
採蜜地や採蜜時期で異なる味や香り、色・透明感などを楽しむのも大阪ハニーの醍醐味です。それはまさに大阪でしか味わえないもの。
“生”でなければ実感できない何も加えず、何も引かない“本当のハチミツのおいしさ”です。
「サツマイモのニョッキ クリームチーズソース 大阪ハニー」
甘じょっぱさが癖になる逸品です。
大都会 大阪〜PORCINIのテーブルへ
つながりを求めて行ってきました。
金色に輝く純度100%の生ハチミツ
おいしーーーーー
ありがとうございました。
応援サポーターやってます!!
人から地域へ。
小さな気づきが広がれば、
都会と自然は
もっと豊かに共生できる。
もし庭木の花にミツバチが飛んできても、そっと見守ってください。
小さなミツバチたちは、蜜や花粉を集めると同時に花から花へ、豊かな実りのために受粉を助けてくれるのです。
その実りは人だけではなく、鳥や虫たちの食物となりやがて種となり新たな実りへとつながり、次のさらに次の世代へと生態系を守ってくれるのです。
ミツバチの働きは、多様な生き物の命をつなぎ循環させるもの。
そして、ハチミツはその恩恵にほかなりません。
PORCINIは
生産者さんとつながり、
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ドイツ食肉加工研修・本場の味を求めて
2017年01月10日(火)
ドイツへ食肉加工のお勉強に行ってきました。
ポルチーニでは食肉加工にも力をいれています。
こだわりの生産者さんが育てた、素晴らしい日本の“牛・豚・鶏・羊”や
大自然で育った“ジビエ”を使用し、ヨーロッパにも負けない
食肉加工の商品をつくりあげたいと目論んでいます。
食肉王国ドイツへ、本場の味を求めて行ってきました。
長崎・対馬 イノシシ パンチェッタ アフミカータ
ポルチーニがつくる食肉加工品たち。ほんの一部です。
ドイツ〜PORCINIのテーブルへ
本場の味を求めて行ってきました。
とてもキレイな街並みです。
ドイツといえばソーセージ。
ドイツといえばソーセージ。
そしてビール。
ミュンヘンの有名ビアホール、ホフブロイハウスの歴史あるホール。
1日平均3,000人の来客があるホフブロイハウスのセントラルキッチンで研修。
広い…1店舗のためのセントラルキッチン!?スケールが違いました・・・。
料理長?工場長??は女性。
全てにおいてコンピューター管理されていました。
さすが技術大国ドイツ。
衛生的な環境で大量の仕込みをこなしていました。
小さな町ウルムのハム・ソーセージ屋さんでも食肉加工研修。
もう、こういった小さなお店はドイツには少ないそうだ。
ハム・ソーセージの機械メーカーでの研修。
もちろんパン屋さんにも。
ハム・ソーセージ職人とパン職人の握手する銅像が印象的でした。
porciniは、
生産者さんとつながり、
見て体験し、
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北海道・江別に理想の小麦を求めて
2016年07月21日(木)
生産者さんを訪ねる旅に出かけました。
パネ・ポルチーニに悠然と鎮座してある食パンたち。
その中に異彩を放ち並べられてる食パンがあるのをお気づきでしょうか?
パン職人がこだわり求め続けてきた小麦で作られたトースト
「はるゆたか ザ トースト」
小麦の良さを最大限にひきだすために16時間の低温熟成発酵、
砂糖もバターも卵もはいってない、余計なものは一切いれず、
「はるゆたか」のよさを感じる美味しい食パンです。
日頃から美味しいパンを作ろうと努力していますが、
生産者の方の想いを知った上でパンを作らないと、
美味しいパンは作れないと考え、
今回、江別という小麦が盛んに生産されている地を訪ねました。
北海道・江別~PORCINI~食卓へ
つながりを求めて行ってきました。
と、江別の前に…余市で腹ごしらえ
ウニ丼や帆立丼。
ビックリ価格の美味しさでコスパ最高です!
そして北海道のパン屋の動向も調査。
北海道名物パンといえば、ちくわパン!!
店先に広がるこの景色。
市内の外れにあり、ロケーション最高だけど
冬場誰が行くねん!!と思ったが、訪れる人が絶えないとか…
恐るべし。
この日はクローズ日でパンを買えなかったのは心残り…
もちろんジンギスカンもはずせないですよね!
生産者さんを訪ねて
日本のパン用小麦の歴史は浅く
1985年に育成された「はるゆたか」という品種が最初と言われています。
それから、生産者の方や関係者の方の努力のおかげで
30年の間に20種類以上の小麦が開発され、
外国産にも負けない品質になっています。
成育環境で左右される小麦
小麦は収穫の時期に雨が降ったり、
気温が高かったり低かったりするとカビがつく病気になり
全滅してしまう事もあるそうで、
2年連続で収穫できず、出荷が出来ない年もあったそうです。
北海道は日本最大の小麦生産地
日本で消費される小麦は約630万トンですが、
国産小麦は77万トンと多い割合ではありません。
近年、安全志向の高まりなどにより、
輸入の小麦よりも国産小麦の需要が増えてきていますが、
先ほど触れたように、温暖化や日本の湿潤な気候では小麦の生産は
困難を極めるそうで、
生産自体は伸び悩んでいます。
生産農家の富永さんのレクチャー
今回お世話になりました江別製粉の三浦さん
近年では「ゆめちから」という病気に強く、
日本では生産出来ないと言われていた超強力粉が
小麦市場を賑わせています。
富永さんや三浦さん曰く、
「はるゆたかは栽培するのが一番難しいが一番美味しい小麦だ」
と一言。
実はポルチーニでも最初に開発された「はるゆたか」という
小麦にこだわれないか?と、ずっと想い続けていました。
なぜならば、「はるゆたか」の特徴である、
もっちりした食感や甘みが、
小麦本来の旨味だと思ったからです。
しかし、「はるゆたか」は製パンにするには難しい小麦で
二の足を踏んでいました。
が、富永さんの言葉で想いはかたまり、
この「はるゆたか」でパンを作ると決意した瞬間でした。
江別製粉さんのご厚意により製粉課程やテストラボの見学させていただきました。
江別製粉さんが行っているFshipや小麦研究のためのラボは
とても生産者、企業がwin×winになれる取り組みで
とても感銘を受けました。
美瑛の非常に珍しいライ麦畑を見学。7月なのに最高気温が17度。
残念ながら曇天でしたが、ライ麦畑が見れてテンションが上がりました。
大人すっぽり隠れてしまう丈の長さがライ麦の特徴です。
美瑛の美しい景色も眺めながら
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宮崎県都城市 肉厚しいたけを求めて
2016年06月08日(水)
鹿児島で去勢鶏を訪ねた後、
ポルチーニ・オーナーのルーツでもある宮崎県都城市へ向かいました。
ポルチーニで人気の「肉厚しいたけのマリネ」は、
素朴ながら「ハッ!!」とする風味豊かな素材の良さが際立ちます。
宮崎を代表する物産のしいたけ。
宮崎県生しいたけ品評会で林野庁長官賞を受賞したという
生産者さんに会いにいってきました。
ポルチーニで隠れファンが非常に多い、「肉厚!大杉しいたけのマリネ」
ニンニクとローズマリーの香りが心地いい素材の良さを体現してる一皿です。
国産フレッシュなモッツァレラと合わせた一品。
「大杉しいたけとモッツアレラのオーブン焼き」
宮崎県 都城〜Porciniのテーブルへ
つながりを求めて行ってきました。
(お休み中にご来店いただいた方には大変ご迷惑をおかけしました)
オーナーご親戚のお宅におじゃまして、BBQをごちそうになりました。
ご自宅からの景色が最高でした。
天然のしいたけは初夏と秋頃、
シイ・コナラ・クヌギなど広葉樹の枯れ木や倒木に生えます。
椎(しい)から生えていたから“椎茸”なんですね。
歴史は古く江戸時代頃から栽培されています。
昔のしいたけ栽培は切り倒した木にナタで切り込みを入れ、
しいたけの菌が自然に飛んでくるのを待つという方法で、
失敗すれば一文無しで、一家離散の憂き目にあう博打的なものだったそう。
栽培方法には、適度な長さに切った木を利用する原木栽培と、
オガクズを固めた培地を利用する菌床栽培があり、
販売する時に「菌床」か「原木」か栽培方法を明記する義務があります。
みなさんも良く目にした事があるのではないでしょうか?
大杉しいたけ農園があるのは森の中。
宮崎県南部に位置し、市街地から車で30分ほど離れた、
くねくねした山道を登った先にあります。
辺りは完全に森で、少し涼しく感じました。
生産者の大杉さんは、代々続いた椎茸の生産農家です。
そのクヌギの木の植栽の面積は50haで、
およそ東京ドームの10個分に相当するそうです。
昔ながらの栽培方法の原木しいたけ
クヌギの原木に種菌をうって、収穫まで3〜4年。
そんな大事なしいたけをサルの群れが襲うそうです。
サルよけのカカシがいてました。
しいたけへの想いを熱く語っていただきました。
この栽培場の土は天然の腐葉土で、フカフカでした。
その土を狙ってか、カブトムシやクワガタの幼虫がたくさん捕れるらしく、
「しいたけより儲かる!」と生産者さん。
最新の栽培方法の菌床栽培
原木をチップにして、蒸して、殺菌、菌床を作り、
自社のクリーンルームで種菌をうえつけ、
温度・湿度を完璧に管理した部屋で育てます。
ちょっとした管理の違いで、同じ種類のしいたけでも傘を大きくしたり、
石づきを大きくしたりすることも可能だそうです。
規則正しくしいたけが並ぶ様子は、芸術のようでした。
しいたけは「ドM」らしく、叩いたり、電気ショックを与えたり、
15℃位の寒暖差をかけてやると、立派なしいたけが育つそう。
研究者でありながら、職人であり、経営者である
バイタリティ豊かな生産者さんでした
ありがとうございました。
porciniは、
生産者さんとつながり、
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鹿児島・鹿屋シャポーン去勢鶏を求めて
2016年05月20日(金)
鹿児島県・鹿屋市へ、生産者さんを訪ねる旅に出かけました。
イタリア食堂やバールポルチーニで人気になっている「去勢鶏」。
いったい去勢鶏とは、どういった鶏なのでしょうか。
普段、口にする若鶏や地鶏とも違う国内唯一の鶏。
鶏好きのお客様にも満足いただきリピーターも多い、
去勢鶏の秘密を探りに行ってきました。
バールポルチーニで人気の「去勢鶏炭火焼き アンコールペッパー添え」
イタリア食堂で人気の「炭の香りのついた去勢鶏のアヒージョ」
鹿児島県・鹿屋〜Porciniのテーブルへ
つながりを求めて行ってきました。
(お休み中にご来店いただいた方には大変ご迷惑をおかけしました)
鹿屋市と言えば「カンパチ」も非常に有名です。
朝獲れの「かのやカンパチ」は船上で活け締めし、その後30分以内に捌き、
魚協直営の食堂で提供しているのカンパチ漬け丼は“これでもかっ!”と思うくらいてんこ盛りで、
あっさりとした脂身と引き締まった身の食感を堪能しました。
鹿児島空港から約1時間30分。
目的の龍治農場への道は非常にのどかで環境も良く、空気も新鮮に感じました。
熱烈な祝福歓迎されました。
生産者さん直々に去勢鶏について、お話を伺いました。
コレが去勢鶏。トサカが通常のオス鶏よりも短く、身体が大きいのが特徴です。
ニワトリは大別として肉用鶏(ブロイラー)と採卵鶏の2種類に分けられます。
肉用鶏は通常5〜6カ月で成熟しますが、成鳥するとオス同士がけんかをして
メスを襲うため、性別関係なく7〜8週間で出荷されています。
一方、採卵鶏のメスは5〜6カ月から卵を産み始めるのですが、
利用価値が無いオスはヒナの段階で処分されています。
毎年、全国で約1億8000万羽、鹿児島県内で約1200万羽が
廃棄されているそうです。
しかし、その採卵鶏のオスを去勢して肉用鶏にかえたのが去勢鶏です。
フランス、イタリアでは希少価値が高く超高級鶏のシャポン(去勢鶏)。
去勢鶏とはオス鶏の精巣を取り除くことで、臭みのない霜降り肉に
生まれ変わると言われています。
これまで去勢鶏は世界的に絶品とされながら、日本で生産されなかったのは、
その去勢の難しさや約8カ月という長期飼育
(通常、流通している鶏肉は若鶏で、孵化から2カ月ほどで出荷されています)
による手間や費用から誰も手を出しませんでした。
しかし、鹿児島にて国内唯一去勢に成功したのが、この龍治農場なのです。
去勢の技術は、かなり高度で日本では全く普及がなく、手間がかかるそうです。
生産者の上山さんは、自ら鶏の去勢の技術を探求し、
飼育ごとに飼料を工夫するなどの飼育方法を確立し、
長期間の飼育を可能にしました。
飼料にもこだわり、ネギ・からいも・米ぬか・ちりめんなどを配合し
食べさせていました。エサの原材料は知り合いの方々に頂いたりして
いるそうで、コスト削減にも努力されていました。
去勢鶏の美味しい理由は、こだわりのエサももちろんですが、
去勢することによりオス特有の闘争心がなくなり
長期飼育が可能になっている所にあります。
長い期間(若鶏2カ月、地鶏4カ月、去勢鶏は8カ月)飼育することで
熟成され、味が濃く、臭みのない肉になり、良質なレモン色の脂がつくそうです。
こだわりのエサとこだわりの飼育方法から去勢鶏は育てられていました。
去勢鶏の“あの美味しさ”を作っているのは、その土地の環境・空気、
そして生産者さんのこだわりと日々の研究が形成しているのだなと、
強く感じたのでした。
ありがとうございました。
またね。
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北海道 占冠 エゾシカを求めて
2015年07月14日(火)
バールポルチーニで人気のジビエ料理。
特に人気のエゾシカ肉は、北海道占冠村から届いています。
いつもとっても美味しいエゾシカ肉を送ってくれている猟師さんに会いに行ってきました。
バールポルチーニ名物
「2歳雌エゾシカ肉炭火焼き」
ソースは 、季節によって変えています。
「自家製エゾシカのモルタデッラ」
「エゾシカのパテ・アンクルート」
雑誌Meets夏鹿特集記事で紹介されました。
「エゾシカ」の産地~porciniのテーブルへ
つながりを求めて行きました。
ヒグマ出没案内
占冠村の林道
エゾシカの数は、北海道全域に約64万頭と推計され、
この10年間で倍増したと言われています。
天敵のオオカミが明治時代に人間に滅ぼされ、
農業が機械化して農地に人が少なくなったり、
餌となる牧草地が多くなるなど、
エゾシカには好条件が揃っているようです。
このため、北海道全域で農林業への被害や、交通事故が増えています。
これは、人間にとっても問題ですが、
バランスを欠いたエゾシカの増殖は生態系にとっても良いことではありません。
農業被害を避けるために農地を囲う方法もありますが、
これでエゾシカの数が減るわけでなく、
根本的な解決につながりません。
エゾシカを減らす役目を一手に担っているのが「猟師」なのです。
しかし、猟は簡単な仕事ではありません。
広い大自然の中からエゾシカを見つけだし、
静かに銃をかまえて命中させるには、
豊かな経験と、正確な銃の腕前が問われます。
占冠村は、山あいの土地ですから、
農地や森を守るために猟師が活躍しています。
そして占冠村の猟師はエゾシカをただ撃つだけでなく、
「命をいただくのだから、出来るかぎり隅々まで、きれいに美味しく食べてあげたい。」
と考えています。
河原でみつけたエゾシカの足跡
では、どうすれば、エゾシカをおいしくいただけるのでしょうか。
これに何より大切なのは「クリーンキル」という考え方です。
すなわち苦しみを与えずに即死させること、
これは家畜における屠畜と同じことで、
むやみに動物に苦痛を与えない動物福祉の観点からも重要です。
クリーンキルは狙った獲物の頭部を一発で打ち抜く銃の技術の正確さが問われます。
即死せず苦しんで死んだ鹿は体温があがり肉の質が落ちてしまいます。
また、内臓を打ち抜いてしまうと肉に臭みが移ってしまうのです。
クリーンキルによって仕留められたエゾシカの肉は、
素晴らしいジビエ料理の素材へと生まれ変わります。
占冠村ではこのような考え方を伝えるために、
修学旅行などでエゾシカの環境プログラムを実施しています。
エゾシカの生態や農業被害を学び、猟師から狩猟の方法を学びます。
また実際に解体されている現場で命が食材に変わる工程を見学し、
エゾシカ料理をいただくのです。
猟師はこう話します。
「今日はエゾシカの命について考えてもらいましたが、
みなさんが普段食べている豚や牛や鶏も同じように生きています。」
「いただきますは命をいただくということなのです。」
狩猟現場、解体、すべて見学させていただいた。
解体場。
占冠のエゾジカは、ここに運ばれてくるんだ。
とっても衛生的な環境だった。
エゾシカ肉はとても環境のいい食材です。
海外から石油を使って餌になる穀物を輸入することはありませんし、
飼育に必要な資材も必要ありません。
太陽と水と森が育てた自然エネルギー100%で出来ており、
森や川の環境を保全すれば将来に渡っても持続的に食べることができるのです。
実は、占冠村では鵡川沿いの台地で4千年前の鹿猟の遺跡が発掘されています。
つまりこの地域では縄文時代から持続的にエゾシカが食べられていたことになります。
そして、エゾシカ肉はその栄養成分についても注目されています。
エゾシカ肉は、鶏胸同様に脂肪分が少なく、
ミネラルを多く含むヘルシーで優れた肉です。
特に鉄分は牛肉の7.5倍、マグロの6倍含まれており、
脂質過剰で鉄分不足の現代人にぴったりの良質なタンパク質です。
自然の中から一頭ずつ狩猟され、解体場へ運ばれて丁寧に解体された質の高い、
エゾシカ肉を猟師さんから命のバトンを受け取り、
ポルチーニは、最適な調理でみなさまにお届けします。
猟師さんと渓流釣りいったよ。魚釣りも名人だった。
占冠村の空は高かった。
porciniは、
生産者さんとつながり、
見て体験し、
感謝し美味しく料理することを大切にしていきます。
Eat Local
長崎県佐世保 自然放牧豚を求めて
2015年06月18日(木)
長崎県佐世保の山奥。
長崎空港からレンタカーで2時間。
少し心配になるような深くて急な山あいを登って行くと、
幻といわれるほど希少な豚を、
ストレスフリーな環境で育てている生産者さんがいます。
「味菜自然村の林さん」
まわりを豊かな樹木に囲まれ、聞こえてくるのは風の音と鳥のさえずり。
夜にはホタルが舞うこの場所で、
日本にいる豚の1%に満たない希少種「中ヨークシャー種」を育てています。
生ハムやサラミ、ハム・ソーセージなどを自家製でつくっているPORCINIとしては、原料になる豚にもっと「こだわり」を持ちたい・・・。
食肉加工に適した豚肉をずっと探し続けていました。
自家製でつくっている生ハム・サラミなどのシャルキュトリーたち
そしてこのたび、素敵なご縁があり。
長崎県佐世保へ行ってきました。
長崎の山あいから~porciniのテーブルへ
つながりを求めて行きました。
放牧場からの絶景
自然がいっぱいです。
山の自然放牧場は12か所あり、常に6か所を使用。
1年のサイクルで放牧と休牧を交互に繰り返しています。
背中をなでられるとお尻を振って喜ぶ中ヨークシャー種の豚
幻と呼ばれる「中ヨークシャー種」
昭和30年代まで、日本で飼われていた豚のほとんどは「中ヨークシャー種」という品種でした。
日本の気候風土に合った豚で、肉のきめが細かく、臭みがなく、脂肪は白く、旨味の成分や栄養価も高いと言われ、脂身の美味しさは絶品です。
しかし、中ヨークシャー種には、成長があまりにも遅い(9~10ヶ月)。
身体も他の豚よりも随分小さいという欠点がありました。
今の皆さんが食べている豚のほとんどが生まれてから6か月で出荷されています。
身体が大きくて早く成長するため、主流になりました。
「中ヨークシャー種」は、次第に日本から減り続けました。
そして「幻の豚」と言われるようになりました。
ここでは、たくさんの「中ヨークシャー種」の仔豚が走り回っています。
放牧場から脱走する豚も帰ってくるらしいから不思議です。
「自然にやさしく、豚にやさしく」
豚を育てること、心のこもった愛情のあるお話をたくさん聞きました。
こんなノビノビとしてイキイキとした豚をみたことありませんでした。
ストレスは肉質に大きく反映されます。
九州長崎の大自然にいやされました。
これからがとっても楽しみになりました。
porciniは、
生産者さんとつながり、
見て体験し、
感謝し美味しく料理することを大切にしていきます。
Eat Local
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