2015年07月の記事は以下のとおりです。
北海道 占冠 エゾシカを求めて
2015年07月14日(火)
バールポルチーニで人気のジビエ料理。
特に人気のエゾシカ肉は、北海道占冠村から届いています。
いつもとっても美味しいエゾシカ肉を送ってくれている猟師さんに会いに行ってきました。
バールポルチーニ名物
「2歳雌エゾシカ肉炭火焼き」
ソースは 、季節によって変えています。
「自家製エゾシカのモルタデッラ」
「エゾシカのパテ・アンクルート」
雑誌Meets夏鹿特集記事で紹介されました。
「エゾシカ」の産地~porciniのテーブルへ
つながりを求めて行きました。
ヒグマ出没案内
占冠村の林道
エゾシカの数は、北海道全域に約64万頭と推計され、
この10年間で倍増したと言われています。
天敵のオオカミが明治時代に人間に滅ぼされ、
農業が機械化して農地に人が少なくなったり、
餌となる牧草地が多くなるなど、
エゾシカには好条件が揃っているようです。
このため、北海道全域で農林業への被害や、交通事故が増えています。
これは、人間にとっても問題ですが、
バランスを欠いたエゾシカの増殖は生態系にとっても良いことではありません。
農業被害を避けるために農地を囲う方法もありますが、
これでエゾシカの数が減るわけでなく、
根本的な解決につながりません。
エゾシカを減らす役目を一手に担っているのが「猟師」なのです。
しかし、猟は簡単な仕事ではありません。
広い大自然の中からエゾシカを見つけだし、
静かに銃をかまえて命中させるには、
豊かな経験と、正確な銃の腕前が問われます。
占冠村は、山あいの土地ですから、
農地や森を守るために猟師が活躍しています。
そして占冠村の猟師はエゾシカをただ撃つだけでなく、
「命をいただくのだから、出来るかぎり隅々まで、きれいに美味しく食べてあげたい。」
と考えています。
河原でみつけたエゾシカの足跡
では、どうすれば、エゾシカをおいしくいただけるのでしょうか。
これに何より大切なのは「クリーンキル」という考え方です。
すなわち苦しみを与えずに即死させること、
これは家畜における屠畜と同じことで、
むやみに動物に苦痛を与えない動物福祉の観点からも重要です。
クリーンキルは狙った獲物の頭部を一発で打ち抜く銃の技術の正確さが問われます。
即死せず苦しんで死んだ鹿は体温があがり肉の質が落ちてしまいます。
また、内臓を打ち抜いてしまうと肉に臭みが移ってしまうのです。
クリーンキルによって仕留められたエゾシカの肉は、
素晴らしいジビエ料理の素材へと生まれ変わります。
占冠村ではこのような考え方を伝えるために、
修学旅行などでエゾシカの環境プログラムを実施しています。
エゾシカの生態や農業被害を学び、猟師から狩猟の方法を学びます。
また実際に解体されている現場で命が食材に変わる工程を見学し、
エゾシカ料理をいただくのです。
猟師はこう話します。
「今日はエゾシカの命について考えてもらいましたが、
みなさんが普段食べている豚や牛や鶏も同じように生きています。」
「いただきますは命をいただくということなのです。」
狩猟現場、解体、すべて見学させていただいた。
解体場。
占冠のエゾジカは、ここに運ばれてくるんだ。
とっても衛生的な環境だった。
エゾシカ肉はとても環境のいい食材です。
海外から石油を使って餌になる穀物を輸入することはありませんし、
飼育に必要な資材も必要ありません。
太陽と水と森が育てた自然エネルギー100%で出来ており、
森や川の環境を保全すれば将来に渡っても持続的に食べることができるのです。
実は、占冠村では鵡川沿いの台地で4千年前の鹿猟の遺跡が発掘されています。
つまりこの地域では縄文時代から持続的にエゾシカが食べられていたことになります。
そして、エゾシカ肉はその栄養成分についても注目されています。
エゾシカ肉は、鶏胸同様に脂肪分が少なく、
ミネラルを多く含むヘルシーで優れた肉です。
特に鉄分は牛肉の7.5倍、マグロの6倍含まれており、
脂質過剰で鉄分不足の現代人にぴったりの良質なタンパク質です。
自然の中から一頭ずつ狩猟され、解体場へ運ばれて丁寧に解体された質の高い、
エゾシカ肉を猟師さんから命のバトンを受け取り、
ポルチーニは、最適な調理でみなさまにお届けします。
猟師さんと渓流釣りいったよ。魚釣りも名人だった。
占冠村の空は高かった。
porciniは、
生産者さんとつながり、
見て体験し、
感謝し美味しく料理することを大切にしていきます。
Eat Local
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